いつもここではないどこかに行きたがっている

もうずっと繋がっているフォロワーが、スキズ京セラ連番に誘ってくれた。

本当はお母様と行くはずで取ったのに、たまアリも当たったからと言って声をかけてくれて、その時既にW会員もFCもモバイルも外れていた私はありがたくご厚意に甘えることにした。

結局eプラス先行でたまアリ1公演当たったので運良くたまアリと京セラ両方入れることになり、たまアリに関しては当たった席が400レベル最後列だったことにまた爆笑しながらすっかり後方腕組み彼氏面が板についてしまった元凶(BTC)について考えていた。

2019/9/4を最後に、私は7人のMONSTA Xの現場に入れていない。

というか多分もう二度と無理だと頭では分かっていて、あんなに大好きだったノルハダをもう誰も歌えない(権利的には現MONSTA Xである6人は可能なのかも、まぁ知らんけど)ことも、まぁいっかと3回呟いて忘れることにした。

事ある毎に戻りたいと願う場所がそれまでずっと風磨のソロコン(風areの方)だったのが、ある日を境にMONSTA XのWe Are Here in Japanになり、現場でどんなに熱狂してもフッと冷静になって、スクリーンに映る人が7人のMONSTA Xではないことにガッカリしてしまう時があった。

それでも、不可逆的な変化によって辛い意味で唯一無二になってしまった推しグルへの未練が時間をかけて形を変えたのもあるし、何よりBTC愛知初日でINIのコンサートが私の好きなタイプのものだと分かってから、凝り固まっていた気持ちが急激に解れていく感覚があった。

INIを好きになって、自分なりに追うことを決めた時点でたくさんの取捨選択をしたし、その過程でスキズが最重要項目では無くなっていたことは確かで、一時期はスンミン・リノとあと一人を流動的に取っていたbubbleも解約してしまったしコンテンツも見たいものだけ見ているし日本の番組出演も全てを録画することはしなくなった。

離婚危機のラジオ仕事も終わり、自分の知っていることがどんどん過去の情報になっていっても惜しいとも悔しいとも思わなくなって、手のひらから零れ落ちていくものをただ見ているだけの人間になった。

FCには継続して入っていたしCDもヨントンに積むほどではなくてもとりあえず1枚だけ買ったり、ヲタクでない人から見たら"普通"なんだろうけれど今までとは違うゆるゆるとした、感覚的には茶の間以下になっていた。

 それが、去年の7月に代々木で初めてスキズのステージを見て、パフォーマンスに圧倒されたしスンミンのスタイルの良さと生歌の上手さに普通にメロった。

もう一生懸命にコンテンツを追ったり新曲のスミンに必死になったりする熱量が無くても、嫌いになったわけではなく単純に私の体力とキャパシティの問題であって"好き"なのには変わりがなかったということで。

かなり前に、嵐を好きになって初めてヲタクになった。

その当時、ヲタクというものは長く追っていること、今はもう高額転売でしか手に入らないようなソロコングッズや初回限定盤を持っていること、たくさん公演に入っていることをステイタスだと勘違いしていた。

ファンのブログやまとめサイトのようなものでエピソードを調べたり、なにかにつけ新規だ、ニワカだと言われて傷ついたり、FCに入っていなくてもファン名乗っていいですか?みたいなツイートにイライラしたり、とにかく不健康だった。

かなり長い時間を経て、色んな界隈を見聞きして、最近になってやっと自分が趣味としてヲタクするためにはそれらは不適だと理解し、情報を常に追っていないといけない焦燥感はINIのヲタクである今も変わらないけれど、どのみち全知全能の神ではないただの人である私には全てを完璧になんて無理な話であって、泣く泣く諦めた現場も過ぎてしまえば「そんなこともあったね」と言えるくらいにはなった。

本題に戻ると、たまアリも京セラも楽しかったし特に京セラは有り難いことに人生で一番近い位置でスキズ(と離婚危機)を見ることが出来た。

元々、お気に入りの曲以外は推しグルでもあまり聴かない非国民だが現場でパフォーマンス込みで体感する楽曲はやはりどの曲も楽しいし自然と身体が動いて声も出る。

早くINIの現場でも声出ししたいなと思った。

私はもう無理をして何かを好きで居続けようとするのはやめたいし、ただじんわりと好きを噛み締めて一人佇んでいてもいいと自分に対して思えるようになりたい。

ずっとフォロワーとして繋がってはいるけどそんなにたくさん会っているわけではない、けれどもヲタクとしての私をかなり奥深くまで知ってくれているジソンペンが今回一緒に居てくれて、それぞれに一度スキズから距離を置いてまた戻ってきてるのもあって2日間ずっとこの上なく「楽」だった。

一緒に居て気を遣わない(もちろん最低限の親しきものにも礼儀ありはわきまえた上で)人といる時間は楽しいし有り難い、りひろむもこんな感じなんだろうか。

私の中にある何かを好きな気持ちを無理に表現したり、表に見える形で公開しなくてもよくて、ただ自分で抱えたり、抱えきれなくなったら放り出してもいいんだと思ったら昨今のヲタ活推し活ムーブに逆行する形だなと思った。

誰かに見せるためにヲタクしているわけではない、初めからずっとそうだったけれど。

キムスンミンの立ち姿もふとした瞬間のちょっと手足を持て余し気味なところも歌が上手いところも日本語の歌を大切に練習してくれて披露してくれるところもいつだって忠実なワンちゃんキャラを演じてメントに入れてくるところもたまにとんでもなく振り切れるところも好きだ。

綺麗な顔で日本でしつこくプリン好きアピールをしてファミマが企画化するくらい成功しているところも日本語の発語が上手でダンスのキレが双眼鏡無しでも見分けつくくらい凄くて足が長くて気が強くて気高いリノちゃんが好きだ。

離婚危機とかいう、よくわからないケミのことがずっと好きだ。

いつもフラフラしている私と会って話してくれるフォロワーが好きだ。

スキズのおかげで、フォロワーのおかげで楽しい2日間だったし、これからも無理せずに楽しい想い出だけ作れたらいいなと思った。